「地肥茄子大」(ちこえてなすだいなり):地道にやっていくことの大切さを伝える言葉
読み方と意味
地(ち)肥(こ)えて、茄子(なす)大(だい)なり、と読みます。茄子は「きゃす」とも読みます。
意味はそのままですが、農地の栄養が豊かだと、そこで育つ茄子は大きくなるという意味です。大きな成果を得るには、じっくりと準備をしなければならないという意味で用います。
使い方
人の成果に際して用いることが多いかと思います。結実した成果に対して、その苦労や見えない努力を想って用います。
これから何かに着手する人に
逆に、大きな成果を得るために、努力を重ねていくべきだという意味を込めて、贈る言葉になるかもしれません。ただ、どちらかというとこの言葉は茄子に重点が置かれているため、実現した成果に対して使われることが多いです。
美味しい茄子を食べて何を思うか
禅では食べ物への感謝、作った人への感謝を勧奨しますが、美味しい茄子を食べて、茄子の育った土の良さを思う人は実際に育てることをしている人以外はあまりいません。こういう深慮は、まさに味わう生き方につながっていきます。
この語の季節、茄子の季節
大体の茄子は6月頃から9月頃が旬です。ちょうど暑中見舞い、残暑見舞い、お中元の時期で、こういう場面で「地肥茄子大」をさりげなく添えるとカッコがよいと思います。
<参考>
・暑中見舞いの時期は、二十四節気でいう小暑(7月7日頃)から立秋(8月7日頃)前まで
・残暑見舞いを贈る時期は「2021年8月7日(立秋の日)~8月31日」
・お中元を贈る時期は7月初旬から7月15日頃まで
例文
地肥茄子大 ますます精進してプロジェクトを成功させたいと思います。
地肥茄子大 いつも励ましていただき、ありがとうございます。一層頑張ります。
地肥茄子大 地道な努力が結実することを願っています。
地肥茄子大 目先の成果に捕らわれず、何事も準備が大切。
まとめ
茄子が大きいのは、土が豊かだから。土が豊かであれば、茄子はどうやっても大きくなります。大きな茄子(成果)を育てたければ、茄子を見ずに、土(基礎的要因で、改善に時間のかかるもの)を変えていかなければなりません。禅語は具象的に表現してくれていますから、まずは実践として茄子を食べながら、土を思ってみてください。そして次に、素晴らしい人の仕事、作品、ニュースなどに触れて、その見えない地道な準備を思ってみましょう。そうして、自分でも実践です。