「別是一壺天」(べつにこれ、いっこのてん)の意味:人それぞれに小宇宙がある
読み方
別(べつ)に是(こ)れ、一壺(いっこ)の天と読みます。
意味
意味は「人にはそれぞれ美しい世界があり、それぞれにその世界を育むべきだし、人の美しい世界に触れるのも時によい」で、自分の内的世界の充実と他者の内的世界の尊重を勧奨する言葉です。
語意
人を一つの壷に例えて、人それぞれのやり方や考え方価値観、日々と積み重ねてきた経験に基づく哲学、人生目的があり、それを肯定する言葉です。逆に、他人にも独自の世界があることを認めことや、その奥深さに触れたときの感銘を現す言葉でもあります。
逆の意味で用いることも
自分の世界に入り込み過ぎて、その世界(壷)が、いわゆるたこつぼ化してしまって、人の考えを寄せ付けない状態を指して、それを忌避する言葉としても用いられます。
自分も人も大事
充実した内的世界、それを丁寧に紡いでいくことの大切さと、人それぞれの中に宇宙があるので、それを邪魔をしないことを言う言葉としてバランスを取るのがよいかと思います。
語源
昔中国の薬売りで、夕方になると大きな壷のなかで過ごすという老人がいて、ある人がいぶかしく思って、その壷に飛び込んでみると、別天地が広がっていて立派の宮殿で美味しい酒を老人に振る舞われたという話に基づいています。
日常実践を考える
ここでいう壷というのは、特定の限られた空間というわけでもよいですが、自分の仕事の進め方や家事のやり方、もっと具体的にいえば、ある作業をするときの手順や考え方と捉えることができます。
一つ一つの作業を丁寧に、工夫しながら行うこと、またそういう人の作業に時に触れ、感銘を受けること。日常実践してみてください。
<参考文献>
解釈
http://rinnou.net/cont_04/zengo/zengo_170801.html
http://www.rinnou.net/cont_04/zengo/080501.html
語源