「遍界不曽蔵」(へんかいかつてかくさず)の意味:世界は常にまったく明らかである、うまくいっている。世界を信頼し、安心を得るための禅語
世界の不公平や「自分だけが損をしている」という思いかられた時に唱えるよい禅語です。心を明るく、落ち着かせてくれる禅語です。
【目次】
読み方と意味
「へんかい、かつてかくさず」と読みます。
直接的な意味は「この世界は、本当のことをまったく隠していない。」です。
この言葉が否定するもの
陰謀論
- 現代社会はおかしいので、犠牲になっている人がいる
- 陰謀によって世界は動いているといった世界観を否定する言葉です。
今は駄目という未来志向
- 世界が進歩すれば、みんな幸福になる
- これを達成すれば、人生で成功するといった条件付きの未来成功物語の考え方も否定します。
この言葉の伝えたいこと
という考え方に通じます。
この言葉の世界観
花が一生懸命花をやっているように、月も木々もそれぞれに
何も隠さずにやっていると捉えて、
自分自身を隠さないという考え方として捉えてもよいかと思います。
心地の良い禅の宗風
気持ちのよい生き方というのは、禅全般に通底する考え方です。
まとめ
世界は何を隠していないのか
ここを考えるのは面白いポイントです。
- 大切なものは身近にある
- 誰も陰謀などしていない。世界を信頼せよ
- 自分自身を世界に現せ幾つかの解釈ができますが、いずれにしても「今日、いま、幸せになる心持ち」を提供してくれるのが、この言葉だと思います。
「世界はすべて明らかである」
と絶対的な安心感を得ます。
何かを大きく変えたり、大きな問題が今あったりと考えない、いわゆる幸せの青い鳥を探さないというのが禅の考え方です。
- 何かに焦って取り組むとか、
- 今は駄目で未来はよくなるから頑張る、
といった考え方をせず、今の肯定と充実に力点を置きます。
参考文献:
- 「一行物」(芳賀幸四郎、淡交社)
- Goroh Tagawa