冷暖自知(れいだんじち)の意味:

自分が感じたことこそ真実

出典

多くの禅語で見ることができます。

禅の基本的な考え方を表しており、最も有名な禅語の一つと言えます。

『血脈論』『景徳伝灯録』

如人飮水

冷暖自知

書き下し文

人が水を飲みて 冷暖自知するが如(ごと)し

「人が水を飲むがごとく 冷暖自ずから知る」と読むことの方が多いかもしれません。

意味を考え、上記「書き下し文」の方を取りました。

意味

人が水を飲めば、その水が冷たい・暖かいか自ずと分かるように、

そのものが何なのかは、自分で体験・体感してみれば自ずと明らかになる。

解説

実に禅の宗旨を端的に表した言葉です。

どういった禅の宗旨を明らかにしているか、大きく3つのポイントで考えてみます。

その水が冷たいのか暖かいのか、議論をしていてもしょうがない

1杯の水を前に、いくらでも議論を積み重ねをすることができます。

しかし、その水の冷暖を知りたいなら、飲んでしまった方が早いことは明らかです。

仏様における議論、人生にまつわる議論、こうした理屈の一切に対して、禅は否定的です。

その水が冷たいのか暖かいのか、本を読んでてどうするの

目の前の一杯の水が、冷たいのか暖かいのか、図書館で本を渉猟する必要はありません。

ただ飲めばよいだけです。

逆に本を読んでも、目の前の水の冷暖は明らかになることはありません。

この観点も禅の基本的な考え方として重要で、本を読んで勉強することに否定的で、さらに進んで経典というものの自体に否定的です。

ただ、体験・体得・体感すればよいというのが禅の考え方です。

自分が感じたものは絶対的な真理である

逆にどれほどの議論をされようとも、どれほど書籍を積み上げられようとも、自分が飲んで感じた「冷たい」・「暖かい」は、ゆるぎないものと言えます。

だれにどう言われようとも、「自分が飲んだあの時の水は、たしかに冷たかった」とはっきり言えるはずです。

自信を持っていえる

自分が飲んだ水が冷たかったとはっきり言い切れる自信、この絶対的な“私”の体感にすべての始点を見出すのが、禅の考え方です。

客観的な分析や論証ではなく、あくまで“自分”の絶対的な体感からすべてが始まり、自分の体験、自分の行動によって世界を変えていくという考え方につながっていきます。

すなわち、自由、自立、自力といった禅の基底をなす考え方につながっていくということです。

まとめ

禅らしい生き方が分かってくる禅語です。

・とりあえずやってみる
・専門家の話を聞かずに、自分なりにやってみる
・まずやってから本を読む
・失敗はOK、失敗して自分で学ぶのがベスト
・行き当たりばったりでよい

自信を持って生きられる、具体的で当たり前の方法を示してくれています。

監修者:「日常実践の禅」編集部

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漢字一文字のラインナップ

  1. 「一」:一とは自分自身のこと
  2. 「風」:目に見えない、とどまらないもの
  3. 「月」:禅では悟りの喩え
  4. 「夢」:一切は夢という現実
  5. 「無」:無を強調するのは禅の特長
  6. 「道」:道とはすなわち禅の道
  7. 「雪」:禅は冬の宗教
  8. 「心」:何はなくとも心が大切と考えるのが禅
  9. 「坐」:座禅が“禅”の基本。しかし執着はしない。
  10. 「雲」:消え去る雲に捕らわれるな
  11. 「山」:静寂にして不動
  12. 「花」:何も考えずに生き抜く美しさ
  13. 「茶」:日常生活のメタファー(たとえ)
  14. 「水」:老荘の影響を受けて水は良きもの。川を意味する。
  15. 「喝!」:最も短いアドバイスの言葉
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